2017年 09月 18日
学位選択時に必要な視点 |
LSE出身というと、皆総じて間違えがちなのは、MBAであることです。しかしながら、このブログで何度も言及しているように、LSEにはMBAプログラムは存在しません。あくまでも、アカデミックベースのマネジメントコースであったり、プライベート・エクイティコースになってしまいます(PEコースは実践的の様ですが)。あくまでも、LSEでは、実践的なコースはあれど、MBAの様なコースはないことをご承知置き頂ければと思います。
さて、本題ですが、LSEに限らず、学位選択時に必要な視点(特に海外でのキャリアを考える場合)は、少なからずあります。それについて言及して置きますので、ご参考になればと思います。
1. コースの適切さ
ビジネス・ファイナンス・公共政策系の業務に多い傾向にありますが、というよりマストな場合が多々あります。マストな場合というのは、特定の専攻が必須であるという点です。ファイナンス職で多いのは、Economics, Finance and Businessといった学位であり、ビジネスでは、MBA、公共政策では、MPA、MPP、(経済学)といった学位になります。開発系ですと、それぞれの分野にもよりますが、社会科学系、特に金融学、経済学、開発学、MPA、MPPといったところでしょうか。ファイナンスはどこでも使える経歴なので、便利といえば便利です。ただ、学位としては一番経済学が汎用性がありますので、選べる場合は経済学が最も良いと言えるかもしれません。あくまでも上記業務の場合ですが。
2. MBAの使い方
MBAの場合は使い方が重要であるといえます。MBA以前のキャリアとMBA後のキャリアが一貫している場合は特に必要性は高くない場合もありますが、MBA後は前職と別の業界へ移りたいと考える場合にはある一定の効果を得られます。まず、その一つとして、別業界での「ポジション」です。例えば、商社から投資銀行へと移りたいと仮に考えた場合、商社から移ると投資銀行では1年目からになります。しかしながら、MBAを挟んだ場合だと、一つポジションが上のアソシエイトから始まるため、ゲタの履いた状態で始めることができます。本人は超絶しんどいと思いますが、だからと言って、1年目の人間と一緒にキャリアをミッドキャリアの段階で考える方は少数だと思いますので、その場合に使えるかもしれません。
経済学が便利なのは、初期段階。それ以降になってくると、MBAが人によっては必要になるというイメージでしょうか。大学の看板はそれに伴う書類通過率をあげる手段(バリューアップ)として機能します。日本においてはここら辺の考え方が曖昧に移る場合が多く、理系か文系かという視点に陥る傾向がありますが、その様な考え方は、極めて後進的、もしくは原始的と言える様に思います。自分のキャリアに合わせて自分の専攻を決めていくことが重要であるため、必要か不要かというのは自分しかわからない様になっています。芸術がやりたいのに、開発学をする場合はナンセンスですし(趣味の場合は別として)、経済学の分野に脳科学の分野から進出するのもまた意味合いが異なります。キャリアの適切さを理解することが重要であると言えるかもしれません。ちなみに、VCの様なTMT+理系関連セクターですと、関連性のある理系分野の博士号があるとそれがエッジになることも多いかもしれません。理系PhD+MBAというのは比較的普通ですし、それくらいエッジがなければ立たないと言えるかもしれません。また、MBA+JD、MBA+MPA、というのも一つの自分の強みを作っていく要因でもありますので、”そもそもその学位が必要なのか?”、”その学位で何をするのか”という視点が最も重要と言えるかもしれません。
という感じですかね。ブログはまた国・地域を変えた時に別のテーマで始めたいと思います。
by lse_keio_sfc
| 2017-09-18 11:19
| 修士
|
Comments(1)
Commented
by
lse_keio_sfc at 2018-06-13 00:09
お久し振りです。Shinです。
ブログを終えてしまってから1年程になりますが、1年だけで様々な案件に関わることができたように思います。ある意味では、日本の資本市場を揺るがす様な案件を、オーナーシップを持ちながら動かしていける立場で関れたため、勉強になる点も多々ありました。
次はマネジメント職という立場から、金融市場を見ていくことになる可能性もありますが、それについては、今後乞うご期待といったところでしょうか。
卒業生の方、在学生の方、そして受験生の方のそれぞれが理想のキャリアを歩まれることを願っています。
ブログを終えてしまってから1年程になりますが、1年だけで様々な案件に関わることができたように思います。ある意味では、日本の資本市場を揺るがす様な案件を、オーナーシップを持ちながら動かしていける立場で関れたため、勉強になる点も多々ありました。
次はマネジメント職という立場から、金融市場を見ていくことになる可能性もありますが、それについては、今後乞うご期待といったところでしょうか。
卒業生の方、在学生の方、そして受験生の方のそれぞれが理想のキャリアを歩まれることを願っています。
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