2017年 02月 18日
経験の重要性 |
経験が非常に重要であると常々感じる次第です。特に、スキルを磨けるような企業に就職しておくことは後々自分の血や肉となります。スキルをきちんと磨けるような企業に行っておくと、短期間でも「行ってよかった」と思えるように思います。逆にそうでない企業に入った場合は、「あそこは意味がなかった」となりますので、企業選びは慎重にした方が良いかもしれません。
その点、日本の大企業は良い教育を施しているためか、比較的前職の満足度の高い方が多いように感じます。商社、銀行・証券、メーカーなど、新人研修に時間をかけて、スキルを養うことのできる機会を提供する企業は人々にサティスファクションを与えているのかもしれません。一方で、ベンチャーなどはあまりスキル向上を提供できていないためか、大企業ほど満足度の高い方を見る機会は少ないように思います。外資系投資銀行・外資系戦略コンサルはどうでしょうか?おそらく、満足していない方はあまりいないように思います。その理由としては、確固たるスキル、レピュテーション、そして、ネットワークと全てが使えるものばかりです。日本の大企業もそうかもしれませんが、グローバル展開する企業に所属があることは、かなりのアドバンテージを得ることを意味します。
中でもファイナンスはどこの世界に行ってもほとんど同じなので、同様のレベルを担保しながら、グローバルに移動できるようになります。いわば、共通言語と言えるでしょうか。会計制度は世界で様々ですが、ファイナンス理論は基本的にはグローバルで共通です。従って、マッキンゼーのバリュエーションを読んでも、ダモダラン氏を読んでも、伊藤邦雄氏を読んだとしても、ほとんど変わらないように思います(もちろんそれぞれの意見の違いはあり)。一方で、日本会計基準、米国会計基準、IFRS、インド会計基準を照らし合わせると、結構相違点があるため、統一されているとは言い難いように思います。IFRSにより日本の会計基準もそれに追従するような動きもありますが、会計はその国の関係者、業界関係者や経営者がその内容をよく知っていることもありますし、彼らの方がより正確に情報を反映できるという前提に立っているため、国ごとで変わらざるを得ない部分もありますし、経営者がある程度裁量を持って会計情報を提供する必要性があるように思います。
こうしたものに関して経験を積み上げると、かなり世界が違います。やはり最初の内は良い企業に順当に入っている方がスキルや経験が鍛えられる部分がありますので、いろんな批判があるかもしれませんが、実際のところはスキルを磨けるようなところに行くのは間違いではないように思います。結局のところ、実力のない内は会社の看板で飯を食っている方がいいように思います。会社の看板から自分へとシフトする際には、既にスキルが磨かれているので、やっていける自信もあるように思いますし、そうした方がスムーズに次のレベルに移行できるようにも感じます(といっても大半の方はそれをやらないように思いますが)。
いかに会社の人ではなく、自分の会社と言われるようにするかが重要かもしれません。仕事を持ってこれる人間になることがこの業界では必要とされますし、それができなければ、上には上がっていけないように思います。それをいかに実現して行くか、それはファイナンスの知識や経営の知識ではなく、個人の才覚と言えるかもしれません。あくまでも、スキルはどう使うかということであって、スキルが全てではありません。しかし、スキルがなければどうしようもないこともあります。いかにそのバランスを取って行くか、それが重要なものになってくるように思いますし、また、同時にスキルを活かした経験を積み上げることが人材市場では重要と言えるのではないでしょうか。
色々と難しいことがありますが、経験をうまく積み上げていきたいものです。
by lse_keio_sfc
| 2017-02-18 23:58
| 金融
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