
インベストメント・バンキングのサマーインターンについてあまり言及していないことが多いので、備忘録的に記述しておきます。具体的な内容に関しては守秘義務の関係から書けないので(とは言ってもそんな大それたことをやってないような気もしますが笑)、一般的にやっておくことについて書いておくことにします。
海外大生の経験する投資銀行のサマーインターンはもちろん選考です。採用する人数も少ないことから、かなり厳しい競争になることは必至です。とはいえ、能力、スキルだけでなく、人間性も同様に見られています。それも考慮しながら記述しておきます。
投資銀行のサマーインターンとしてそもそも何をやるのか?
基本的に業務の一端を担います。また、一応内部に入って業務を行うことはできますが、コンプラの関係からか、ディールに入ることはできないように思います。一部の業務を担いながら、最終プレゼンを目指すというのが、どこの投資銀行でもありうるインターンの内容であるように思います。大量にインターンに行ける日本国内の学生と違い、各社採用人数は2−5人ほどで、極めて限られた人間のためのプログラムとなります。
メリットとは?
インターンとしては、破格の給料をもらい、優秀な社員や学生と出会えて、スキルや経験も身について、加えて、CVに追加できるという最高のプログラムであるように思います(新卒レベルでこれ以上のインターンを見たことがありません)。一緒にやっていた人間はそのまま就職する人間もいれば、新卒でニューヨークのプロフェッショナルファームに就職したり、卒業後にPhD in Econとかに行ったり、PEに行ったりなどするので、ネットワーク的にも意味があります(IBD以外も含みます)。もちろん、かなり辛いのですが。
インターン前のTo Do
やるべきことはまず勉強かもしれません。バリュエーションと会計は日英両方確実に理解しておいた方が良いです(自分が困ります)。可能であればミクマク経済、会社法、経営戦略、セクター毎の基本情報(マクロ環境、セミマクロ環境、ミクロ環境)は基本を理解しておくと、全然違いますね(それが事前に全てできていれば・・・)。加えて、エクセルは必須です。エクセルでトレーニングしておくと、かなり楽になります(特にAlt + H)。
インターンでのTo Do
上記のメリットは逆に言えば、ネガティブな面でもあります。自分のリソースを120%使って行う必要がありますし、使ったところで自分の能力の無さに気がつくように思います(かなり褒められたとしてもできた実感がないので、自分では納得がいかず、努力し続けることのできる環境でもあります)。とりあえず、自分のできないことをきちんと認め、謙虚になり、日々勉強し続け、かつ長時間集中し続ける体力と精神力を持ちつつも、頭の回転が早く言われたことの意図とその人の考える先のことまで理解し、できるだけ冷静かつミスをせず(特に数字、語句)、早く仕事のできる人当たりの良さを持つ人間が求められるかなと思います(その期待を超えるプロセスはかなりしんどいものがあります)。アナリスト(少なくともインターンは)は雑用なので、業務自体は雑巾掛けをしているのと変わりはないと言っても過言ではありません。ただ、下働きとは言えども視点によっては学ぶことがたくさんあります。そのことに気がつき、修正したり、足りない部分は自分で補うなどして、下働きを自分の学びに変えることによって、成長の幅が変わるのかもしれません。私はわからない部分は徹底的に質問しましたし、上司にも恵まれていたため、忙しい中でも快く答えて頂きました(できないこと、わからないことはきちんと伝えた方がいいです。多すぎてはダメなので、バランスを考えましょう)。また、上司から気を使って頂いたせいか、私は様々なプロジェクトに関わらさせて頂いたため、働いているそのときは辛くて二度とやりたくないと思うレベルだったものの(多分基本IBDで働くとそう思います)、振り返ってみればこれ以上に学べる環境はないかもしれないと感じた次第です(最後にかなり褒められたというものありますが)。言うのは結構簡単なのですが、実際にやるとなるとかなりしんどいのは間違いないです。私は一度もありませんでしたが、会社に行くことそれ自体が恐怖になる人もいなくはありません。
ざっくりとしか書けなかったように思いますが、エッセンス的にはそんな感じだと思います。正直、業務は辛い以外あるのかと思ってしまう時ももちろんあります。ただ、やり遂げた後の達成感はその対価分有るかもしれません。インターンということもあって、業務上で本当に楽しい部分(海外支店とのやりとり、クライアント、コンサルや弁護士の先生と共に業務を行うときに自分がリーダーシップをとって案件をまとめて行く)ということには関わることはできませんが(それはより大変でしょうが)、それでも学び続けることのできる環境、アップサイドが見えていて、それに向かって努力して行く喜びは変え難いものがあるかもしれません。薦めるか薦めないかと言えば、私は一度はこういう環境に揉まれてみるのもいいかなと思う次第です。