今回はロンドンの大学における多様性について考えてみたい。ロンドンの大学は一般にダイバーシティーに富んでいる。イギリスの大学というと、皆イギリス人ばかりという印象を抱く人が多く、アメリカと聞くと、世界中から学生がきているという印象を受ける人が多いようだ。しかし、実際のところは逆で、イギリスの大学、特にロンドンの大学はイギリス人はかなり少数派だ。LSEは85~90%が外国人で、残りがイギリス人となっている。10%~15%とというと、留学生であるアメリカ人や中国人の割合とさほど変わらないか、むしろ少ない。そういうイメージになる。一方で、アメリカの大学はあくまでもアメリカの大学である。UCとか、MITや Cal Techなどの州立大学や理工系大学などの一部を除けば、ほぼアメリカ人ばかりである。アイビーリーグは基本的に90%がアメリカ人で、10%が留学生である。
このように聞くとどんなイメージが湧くだろうか?本当に逆だと感じるだろう。しかし、これは若干誇張気味になっている。というのも、イギリスの例は留学生の多いLSE修士の一例であり、アメリカの例はWASP中心のアイビーリーグの学部だからである。もし、オックスブリッジとアイビーリーグの学部生を比較すると、オックスブリッジの方が留学生の割合は高いが、それほど大差があるわけではない。また、ロンドン大学と UC系だと留学生の割合はそれほど変わらないかもしれない。ただ、修士以降の割合であれば、急激に差がついてしまう。ざっくりアメリカの大学院は20~30%の留学生で、イギリスは60~90%が留学生といったところか。
上記からわかるように学部ではLSEという例外を除き、基本的には英米ともに留学生の割合はほぼ同じにみえる。だけれども、修士以降に目を向けると、イギリスの方が圧倒的に多様性に富んでいることがわかる。これをプラスと捉えるか、マイナスと捉えるかだが、僕は多様性に富んでいる方がベネフィットは多いと考えている。その詳細はまた後ほど。