プロフェッショナルファーム選択において気をつけるべきこと |
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2017年 02月 28日
プロフェッショナルファーム選択において、どこを選ぶべきか、という話は尽きないように思います。正直な話、これには正解がありません。特にこれは考えれば考えるほど、正解が出てこなくなる難しい問題です。世間一般には、「〇〇企業は××企業よりも良い」という話をしますが、それは市場のコンセンサスで形成されたバリュエーションであって、実際のところ個人にそれが合うかといえば、それは絶対的に異なります。どの企業もどの観点からバリュエーションするかによって確実にその価値は異なります。
例えば、ヘルスケアの分野で起業したい方がファーストキャリアで税務を選択した場合、それはどのように見られるべきでしょうか?おそらくこれは観点次第で価値は変わるはずです。しかしながら、多くの場合、市場の一般的なコンセンサスからすればこの方のバリュエーションは下がってしまうでしょう。その理由は、キャリアの関連性が一目瞭然ではないからです。しかしながら、その市場のコンセンサスから外れて自分なりに5年後か10年後にそのキャリアを歩むことによって、将来的なプロジェクションを高く持てるのであれば、そのキャリアは歩む価値がありますし、将来実現すれば、アンダーバリューしていたその方の価値もアウトパフォームするはずです。その度合いにもよりますが、それによってあるポジションで成功できるとするならば、それは投資価値のあるキャリアであるように思います。 つまり、言いたいこととしては、バリュエーションが高くなることが将来的に期待できる場合、市場のコンセンサスに従う必要はないということかもしれません。別の例を出して見ましょう。例えば、ビジネスパーソンとして必要なファンダメンタルなスキルは、英語会計ITであると一般的に言われているようですが、それがどの程度までやるべきなのかは個々人で判断するとして、そのために必要なキャリアを歩むとします。その場合、単純に仕事の実務で養われるスキル面から見れば、”総合”(IT)と呼ばれるコンサルの方が良いかもしれません。一方で、ブランド力の高いコンサルに入社し、その後にMBAやMSc in Computer Scienceなどの大学院に入学することが良いかもしれません。あくまでも、これらは個々人のキャリアをどのスパンで何をやるかによって異なるように思います。自分独自のバリュエーション法で、将来的にいかにコンセンサスをアウトパフォームするかということを考え、リソースを投資するようなイメージです。 なぜこのようなことを述べるかというと、私自身も何が正解なのかが結局のところわからないためです。これが正直なところです。例えば、グローバルの一流校では、当たり前のように投資銀行/コンサルからファンド(+MBA/大学院)に行くことが成功への道であると定式化されているように感じるためです。もちろん、アメリカではシリコンバレーという土地もあることから、ITも人気があるかもしれませんが、グローバルなパースペクティブで考えれば、上記のキャリアが理想的であると思われている場合が多いように感じます。あくまでも私の限られた範囲の経験ですが。東京、ロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポール、ドバイと、基本的にどこに行っても同じような回答が得られるように思います。しかしながら、これらはあくまでもその限られた範囲の市場コンセンサスであって、各個人の幸福を保証するわけでもなければ、将来の自分の繁栄を保証するわけでもありません。つまり、成功なんていうのはブラックボックスというわけです。 投資銀行で給料を貰い働くことになった際、私が感じたのは、「これが本当に自分のやりたいことなのか?」と思ったことは多々あります。また、「本当は自分は負け組なのではないか?」「お金で幸福が決まるわけではないのでは?」と思ったこともあります。LSEに進学するときも同じです。ファンドに関しても同様で、ファンドに行くことが一般に良いと言われているが、実際のところ、「案件を経験できなければ市場で自分の価値は上がらないのではないか?」とも感じました。また、逆に「案件がたくさん経験できたとしても、スモールキャップでいいのだろうか?」とも考えました。これはIBDでも同様の問いになるかもしれません。 一方で、私は日本で大学生活を送ったこともあり、コンサルにも同様に興味を持った時期もあります。それは「IBD業務が辛すぎること」や「作業的な仕事ではなく、より頭を使う仕事がしたい」と考えたためです。しかしながら、とあるファームにオファーを得た後に給料という現実を突きつけられることになります。「IBDの時よりもらえる給料が約半分から3分の2になってしまう」という現実です。もし、フルタイムとして働いた経験がなければ「そんなもんだ」と割り切ることができるのかもしれませんが、一度給料の額面という現実を見てしまうと、言葉が出なくなってしまうのが現実です。また、大学の同期の生活を見てみると、実際のところ生活は下手をすればコンサルの方がIBDより激務な場合もあります。私はPEに行きたいという気持ちもあったため、結局のところ、IBDとコンサルはIBDが給与が2倍程度で激務度がそれほど変わらないと考えたので(実際のところはわかりませんが)、IBDを選択したように思います。これが正解だったのかはわかりません。 幸い運が度重なって、PE業務を行うことになりましたが、今のところ私は満足していますが、それが将来どうなるかわかりませんし、実際のところ「IBDやコンサルをもう少しやった方が自分に実績がついたのではないか?」と思う時が来るかもしれません。これが正直なところです。私は次にやりたいことがあり、もし失敗したとしても、次に行けるようなリスクヘッジはしているので、食いっ逸れることはないかもしれませんが、かといって、それが保証されるのかというと、先のことはわかりません。 人は勝ち組とか負け組とか簡単に言いますが、人の人生はそんな簡単なものではありませんし、事実、勝ち組に見えた人間が結局のところ、いつの間にか消えていたということにもなりかねません。人生の選択は非常に難しく、また、常にチャレンジングであります。一つ大事なことは、「理想の自分に向かって、怖くても一歩を踏み出す勇気が必要」ということかもしれません。LSEに留学するとき、「本当に自分は留学した方がいいのか?」「先に就職してる人達は既にキャッシュフローを得ているよなー、羨ましい。俺の選択って機会費用の損失では?」と思ったことも正直あります。また、留学中も、「お金を払ってなぜこんなに苦しい思いをしているのだろうか?」などと思ったことは一度ではありません。しかしながら、LSEにしても、投資銀行にしても、かなり苦しんだ経験でしたが、結果として私は自分なりに最高の選択をしたと思います。悩み苦しみもがきましたが、全てにおいて後悔していません。結局、「挑戦したことよりも、挑戦しなかったことの方が人生高くつく」と言えるのかもしれません。 きちんと自分なりに考えて、行動すれば無駄なことはありません。自分なりの価値を自分の選択しようとしているプロフェッショナル・ファームに当てはめて、自分の将来にどう繋がるのか?どう貢献するのか?ということを考えた方が良いように思います。それで一歩踏み出せるのであれば、それは最良の経験であり、また、選択であると言えるように思います。
by lse_keio_sfc
| 2017-02-28 18:59
| 就活
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