光と不平等と政治的問題 |
光をテーマに新しいイシューがアライズしようとしている。LSEで研究されている問題だ。光と聞いて何を思い浮かべるだろうか?おそらくほとんどの人はそれほど興味の持ったことのない話題なので、特に興味を持たないように思うし、特に思い浮かぶということもない。もちろん、日常生活で”光”という概念そのものに着目することそれ自体がないために、それに興味を持つことはあまりないだろうと思う。
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2016年 05月 14日
光をテーマに新しいイシューがアライズしようとしている。LSEで研究されている問題だ。光と聞いて何を思い浮かべるだろうか?おそらくほとんどの人はそれほど興味の持ったことのない話題なので、特に興味を持たないように思うし、特に思い浮かぶということもない。もちろん、日常生活で”光”という概念そのものに着目することそれ自体がないために、それに興味を持つことはあまりないだろうと思う。 しかし、このような概念を聞けば、ある程度は具体的な関心を持つように思う。「光が不平等を生み出している」。小学生の頃を思い出して欲しい。小学生の時、一枚の写真を多くの人は見たことがあると思うー裕福な国及び都市の明るさと、そうでない国の暗さ。日本は裕福で、これくらいたくさん電力を使っています。といった類の話を一度は聞いたことがあるのではないか? 日本は今でこそ相対的に裕福ではなくなってきたものの、リーマンショック前までは日本は明らかに裕福だったと言えるし、教育も会社も政治も経済も多くの面において先進的と言えるような状況ではあった。少なくとも今日のように新興国企業に買収されたり、アメリカのシリコンバレーの活況のようなことを誰が想像しただろうか。リーマンショック以降はアメリカも自信をなくし、中国が世界の覇権を握るのではないかと思われてきたが、アメリカの強固な経済基盤に支えられ、毎年成長し続けている。恐るべきことに、2000年から今年にかけて、GDPは1.6倍になっている。経済的には相対的な優位性は崩れてきたが、まだまだアメリカは世界をリードし続ける立場にはある。一方で、中国経済への懐疑的見方がされている、また、安定していると思われ、ますます拡大していくと思われたEUがBrexit問題によって、その機能が揺るがされている。そして、日本は少子高齢社会を迎え、経済成長が妨げられている状況もある。世界は混沌とし、また、将来への不確実性が上がっている。アメリカもこれから成長し続けるという保証はない。なかなか難しい話になってくるだろう。 さて、光の話に戻るが、光は様々な機能を持っている。”物”であったり、統合する機能だったり、シーンやイベント、インフラなどの機能を持っている。また、その光というのは、光そのものであったり、”照らす”ものであったりする。加えて、光の加減であったり、光の種類を変えることによって、その機能は変わってくる。また、光の分量が人々の心理に影響を与えたりするというのが今日の考えであるようにも思う。 政治的に見れば日照権であったり、また、公共財としての機能も果たしている。加えて、よく問題になりやすいのは、”公共財としての光の権利はどうなっているのか?”、つまり、町中で照らされている街灯は税金を払っている人も払っていない人も同様のサービスを得ることができる。つまり、税金を払っていない人はそれを受ける権利がないのではないか?とか、それをどうすべきか?という問題にまで発展していたりする。 上記二つの問題の延長が今日の光の問題ということになるが、よりディープな話題に入ろうとしている。要は光というものが、その加減や量によって、犯罪に繋がったり、生活の質に影響を与えているのではないか?ということである。光の調節によって、ラグジュアリーにも、またその逆にも見える。光によってブランディングなども関わってくるし、広告なども光はなくてはならない。裕福な国はそうした光を使って多くのことができるが、そうでない国ではそれができない。アフリカなどはその際たる例かもしれない。アフリカのような新興国では、国々で裕福度合いが違うため、一括りにはできないものの、オーバーオールで見れば、人口の約半分が1日1.25ドル以下で生活しているため、比較的裕福ではないと言えるだろう。こうした国々では、そもそも公共投資ができていないため、どうしても光が行き渡らない上、それが犯罪の温床になったりする。つまり、こうした国では、まずは政策としての光を投資することが必要になる。一方、英国は光が基本的には全体的に行き渡っていることが多いので、どの光をどの場面で照らすのか、とか、光が少ない部分をどのように解消するのか?とか、そもそもどのように照らすのか、などといった、より具体的な”光”に着目して政策提言が行われていく。また、それが権利問題であったりということにも発展していくのである。 また、これらは英国では、政治、経済といった分野だけでなく、デザイナー、エンジニア、芸術家、社会学者、法学者などの総合的な議論を通して政策意思決定がなされようとしている。より分野横断的な考え方になっているといってもいいだろう。 まだまだ発展途上である光だが、これからより具体的な話になっていくにちがいない。
by lse_keio_sfc
| 2016-05-14 21:39
| LSE
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