ロンドンは世界の例外? |
ロンドンに住んでいると、”イギリスに住んでいる感覚があんまりない”ということを良く聞く。これはなぜかというと、ロンドンはあまりにもグローバル化されすぎた都市であり、また、本当の意味での多様性のある社会であるように思う。以前から述べてきたように、ロンドンの教育機関には世界中から人材が集まり、またしのぎを削っている。このような都市は世界中にまずないと思った方がいいだろう。
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2016年 04月 30日
ロンドンに住んでいると、”イギリスに住んでいる感覚があんまりない”ということを良く聞く。これはなぜかというと、ロンドンはあまりにもグローバル化されすぎた都市であり、また、本当の意味での多様性のある社会であるように思う。以前から述べてきたように、ロンドンの教育機関には世界中から人材が集まり、またしのぎを削っている。このような都市は世界中にまずないと思った方がいいだろう。 これは長らくロンドンが世界の中心であり続けてきたことと不可分ではないように思うが、それに加えて、ロンドンがここまで都市としても、社会としても発展しているのは、国の社会的な事情にもよるだろう。そもそもイギリスは移民がロンドンのGDPの成長を促進している感が否めないため、そうした移民を受け入れることは合理的な判断であると思うし、イギリスのエリート自体もそれが正しいと思っているように思う。最近、Brexsitの問題が上がっているが、Fiancial Timesによると、これはエリートと大半の非エリートで意見が全く持って異なる。エリートはもちろん、EUから脱退してしまえば、イギリスの経済的衰退が目に見えているため、阻止したいという気持ちと、移民によって自分たちの生活水準が落ちているだけでなく、仕事でも移民によって自分たちの職が脅かされている現状をよく思わない人間たちのEU脱退を促進したいという気持ちで、このブレグジットの意見が分かれているのではないか、と思う。僕は英国事情は専門ではないため、突っ込んだ話は避けたい。 1986年にビッグバンという金融改革をマーガレット・サッチャーが行って以後、ロンドンは金融センターとしての地位を継続しているし、ニューヨークとロンドンの二大金融都市の地位は揺るがないだろうと思う。これは、3位以降の東京、香港、シンガポールといった都市と大きな差があるように思う。少なくともロンドンにおいては、シティのジェントルマン階級が積み上げてきた企業の圧倒的な投資銀行への信頼、エリート感がそのような考えを生み出しているのかもしれない。やはり、どの国においても、投資銀行はエリートとみなされているように思うが、イギリスにおけるロンドン・シティの役割や存在感は全くもって異なるように思う。単純に投資銀行のM&Aや資金調達のアドバイザリー業務の事例をとってみても、いかにロンドンが大きな役割を果たすかがわかる。南は南アフリカ、東は中東やインドからロシアまでの範囲と、世界の半分以上をロンドンの投資銀行がカバーしているようだ。アメリカはアメリカ、日本は日本、香港は中国大陸、シンガポールは東南アジアなどをカバーしていることを考えると、いかに広範な範囲をロンドンの投資銀行がカバーしているかがわかるだろう。ちなみに、コンサルタンシー(英国ではコンサルはコンサルタンシーと呼ばれている)である、マッキンゼーやベインなども同様の範囲を対象にしている。 実際、日本の投資銀行部門が大体大所帯と言われるゴールドマンやJPモルガンで100ー150人といった規模でビルのワンフロアというのが一般的な規模であるのに対し、カナリーワーフあたりの投資銀行の場合、投資銀行部門だけで、ビルが二つも三つもある。規模的に一フロア、100人くらいはいるとして、8階あたりまであるとすると、大体3階(イギリスでは2階)くらいから部門のフロアがあると考えられるので、6階分くらいか。それが二つあるので、1200人ほどの部隊がある。三つだと、1800人ほどくらいかも。 要は、これくらいグローバル化というより、ロンドンから他の都市へのアクセスがシームレスに行える状況にあるので、可能であると言えるだろう。他の国へのアクセスが容易であるということは、逆に言えば、世界からのアクセスが容易になるということになる。それがロンドンの高付加価値の職につく、高いレベルの教育を受ける。他には今はちょっとそうとは言えないのだが、政治的安定性から安全資産の運用先としても人気だ。これが他の国の人間の目指すところであるように思う。結果として、ロンドンに移民が増えるし、グローバル化されているように見える原因ではないだろうか。 イギリス人と出会うのが難しいと言えるほど、ロンドンは多様性に富んでいると言えるかも。一旦のロンドンでの生活はあと少しという感じになってきたが、これだけの世界都市で生活できたことは大きな収穫であるように思う。少なくとも一度は経験した方がいいかもしれない。
by lse_keio_sfc
| 2016-04-30 02:06
| 日常
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